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Kinoptik Paris Apocromat  75mm F2

キノプティック パリ アポクロマート 75mm F2

キノプティックはパリの光学メーカー。

Georges GROSSETとGeorges PERTHUISによって1932年に創業した。創業当時は航空写真用の特殊レンズなどの軍需品や赤外線カメラなどの生産を手がけていた。1945年ごろから映画用のレンズの生産を始めフランス映画黄金期を支えた。キノプティックの特徴はレンズ名にもあるとおりApochromat(アポクロマート)であること。やや専門的な話になるがレンズを設計する際に光路追跡というのを行う。レンズを光がどう通過するかを計算するのだが普通のレンズの場合は光の三原色の緑など単色をで計算して残り2色は近似として無視する。写真用などの精密なレンズでは2色分計算する。このレンズをアプラナートという。アポクロマートではこの計算を3原色全てにおいて行う。単色の場合に比べ3倍の計算量になり生産精度も桁違いにあがる。写真用レンズではアプラナートレベルで十分といわれていてアポクロマートは拡大率の多きな超望遠レンズや望遠鏡など特殊用途のレンズに限られる。設計の複雑さから生産コストも非常に高く業務用や研究用のレンズに限られている。KinoptikはラインナップのほとんどがApokromatという稀有なメーカだ。そのためレンズはオーダーメイドの受注生産で生産量は極めて少ない。映画会社など法人での購入がほとんどで個人所有はほとんどないレンズだ。例外的にスチールカメラのアルパにのみ正式にレンズを提供していた。(現行はNIKONマウントもある。)ただアルパといえば当時ライカを越える超高級ブランドカメラでそのレンズラインナップは古今東西の最高級品ばかりだ。同じく標準アポクロマートレンズのMacro SWITARをスチールカメラで唯一ラインナップしていたのがアルパである。そのアルパの中でもKINOPTIKは別格で有名な100mmでも1000本弱、150mmは300本程度に過ぎない。このレンズは75mmF2のマクロタイプでカタログには載っておらずオフィシャルHPで存在が確認できるものの生産本数は極めて少ないと思われる。元箱と納品時のメモが付属していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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